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本屋で素敵な本に出会った瞬間、ついつい手に取ってしまう。
そして気がつくと家にはまだ読んでいない本が山積み…。
これがいわゆる「積読(つんどく)」の始まりです。積読してしまう心理には、何か深い理由があるのでしょうか?
それとも、ただの癖なのでしょうか?今回は、そんな「積読の心理」を探りながら、あなたの心の奥底にある気持ちに共感してみましょう。
積読してしまう心理の背景

積読してしまう理由は、単に本を読む時間がないからではありません。
その背景には、「本を持つことの安心感」 や 「未来への期待」 など、いくつかの深い心理が隠れています。
安心感を得るために積読する
積読をしてしまう大きな理由の一つは、「本を持つことで安心感を得られる」 という心理です。
新しい本を手に入れると、まるで新しい世界への扉が開かれたかのような気持ちになります。
積読された本たちは、いつでも自分を助けてくれる味方のように感じられ、心の中に安心感をもたらしてくれます。
積読による安心感 | 理由 |
---|---|
いつでも読めるという安心感 | 本棚に未読の本があることで、時間ができたときにすぐに読めるという安心感を得られる |
知識や情報が手元にある安心感 | 知りたい情報や新しい知識が、すぐに手に入ると感じられる |
選択肢の多さによる安心感 | 気分に合わせていつでも読む本を選べる楽しさがあり、選択肢が多いこと自体が安心につながる |
このように、本を手に入れること自体が心の拠り所となり、積読することに対して罪悪感を感じるどころか、むしろ安心感を得ているのです。
未来の自分に期待する心理で積読する
もう一つの積読の心理的要因は、「未来の自分に期待する」 というものです。
積読している本たちは、未来の自分がもっと時間や余裕を持てるときに役立つという期待を象徴しています。
これにより、現在の忙しさから逃れつつも、未来への希望を持ち続けることができるのです。
未来の自分への期待感の例
- 今は読めなくても、未来の自分ならきっとこの本を楽しめるはず!
- 時間ができたときに読める本があることは、自分へのご褒美になる
- いつか必要になる知識や情報を持っているという安心感
このように、積読することで未来へのポジティブな期待感を持ち続け、今の自分を励ますことができるのです。
積読と買ってしまう心理

積読をする背景には、購買欲 という人間の本能的な欲求も大きく関わっています。
新しいものを手に入れたいという衝動は、本に限らず多くの人が感じるものですが、積読には特有の心理的な側面が隠れています。
新しいものを手に入れる心理で積読する
新しい本を手に入れる瞬間には、「新しい冒険の始まり」 という喜びがあります。
新刊の香りや表紙のデザイン、内容紹介を読んで「この本、絶対面白そう!」と感じる瞬間こそが、その本を手に取る決め手になります。
そして、その喜びの感覚を忘れられずに、次々と新しい本を手に入れてしまうのです。
- 新しい本が手に入って、一時的に喜ぶ
- まだ読んでいない本があることで、新しい冒険に期待感が高まる
- その場で、「買いたい!」って欲求を満たすことができる
このように、積読は単に読書への意欲だけでなく、新しいものを手に入れる喜びが積み重なって生まれる現象なのです。
自分へのご褒美感覚としての心理で積読する
本を購入することは、「自分へのご褒美」 としての側面も持っています。
忙しい日々を乗り越えるために、ちょっとした贅沢として本を買うことが、心の栄養になっているのです。
「頑張った自分にプレゼント!」といった感覚で、積読が増えていくのも自然な流れです。
- 忙しい一週間の終わりに、自分へのご褒美として気になっていた本を購入
- 仕事や家事をこなした後に、好きな本を手に取ることで達成感を感じる
- 購入する瞬間そのものが、小さな贅沢として楽しめる
このように、積読は自分への小さなご褒美として機能しており、それが積読を続けてしまう心理的な要因にもなっているのです。
本との思い出を大切にする心理で積読する
本には「読む」以外にも特性があります。それは思い出です。
本を買った時に感じていたこと、本をもらったときに抱いていた感情。読み始めた時のエピソード。
その全てが「書籍」という物質に集約されています。
昔、知人の誕生日には必ず本をプレゼントしているという友人に言われた言葉があります。
本は、読む人に知識や考え方、価値観に変化を与えることがある。人生を大きく変えることだってある。1冊の紙で友達にその可能性をプレゼントできるなら、それほど嬉しいことはない。
もちろん、本を選ぶ基準が自分のエゴにならないように注意して、本を選んでいました。
僕も本を頂いたことがありますが、大切に選んでくれたことが伝わります。
もし、まだ読めていなくても、目に見えるところに置いておきたいと思うのは当然です。
本との出逢い(縁)を大切にする心理で積読する
本との出逢い(縁)を大切にしていることが積読につながっていることもあるのではないでしょうか。
本との出逢いはとても運命的です。
カレントアウェアネス・ポータルによれば、世界に存在する本の種類は、1億2986万4880冊にも及ぶそうです。
つまり、1冊の本が自分の手元に来る確率は0.00000077%です。
もちろん、そう単純な話ではありませんが、積読されていく本というのは、奇跡的な確率で床に積まれていることになります。
未読だったとしても、置いてあるだけで、何か運命めいたものを感じることができるのかもしれません。
4. 積読の心理をポジティブに捉える

積読は時に罪悪感を感じさせるものかもしれませんが、実はポジティブに捉えることも十分可能です。
積読を否定するのではなく、その行為の裏にある心理的な利点に目を向けてみましょう。
知識の蓄積として積読する心理
積読された本たちは、「未来の知識の蓄積」 として捉えることができます。
まだ読んでいない本であっても、その内容はあなたの手元にあります。
つまり、いつでも知識を得る準備が整っているということです。
積読のポジティブな捉え方 | 効果 |
---|---|
未来への準備としての知識蓄積 | 必要なときにすぐに知識を取り出せる安心感 |
自分の成長をサポートするリソースとして | 自分の成長に合わせて本を選べる楽しさ |
新しい興味を見つけるための選択肢として | 興味や関心が広がる機会が増える |
このように、積読はあなたの未来を豊かにするためのリソースとして存在していると考えると、罪悪感はなくなり、むしろ積極的に積読を楽しむことができるでしょう。
自分を知る手がかりとしての積読
積読は、あなた自身の興味や関心を知るための”手がかり” でもあります。
どんな本を積んでいるかを振り返ることで、自分が何に興味を持っているのか、が見えてきます。
積読を通じて、以下のような自分を見直すことができます。
- 積んでいる本のジャンルを見直し、今の自分の興味を再確認する
- 昔買った本を見返して、自分の成長や変化を感じる
- 読むタイミングを逃してしまった本を通じて、今の自分の優先順位を見つめ直す
積読は、ただ読まない本が積み重なるだけではなく、自分の心の動きを映し出す鏡 のような存在なのです。
本の購入・積読がストレス解消につながる心理
本の購入がストレス解消につながっている場合も考えられます。
なぜ本を買う時って、あんなに心躍るのでしょうか。
- 美しい表紙
- 新品の重厚感
- 紙の中に眠る世界観への招待
- 贅沢品と見間違えるほどの魅力
嫌なことがあった時、ついつい買ってしまうことがあります。
タバコやブランを物の購入より、はるかにコスパ良くストレスを解消できるでしょう。
積読してしまうネガティブな心理

積読してしまうネガティブな心理を5つ紹介します。
- 集めることが目的になっている
- 感情的に購入している
- 読みやすい本ばかり優先している
- 完璧に読もうとしている
- 途中で飽きている
- 時間がない
集めること(積読すること)が目的になっている心理
積読してしまう人の中には、買うことが目的になっている人も多いのではないでしょうか。
本には中毒性があります。
まだシリーズ1も読んでいないのに、すぐに続刊が欲しくなったりします。
本にはインテリアとしての機能も備わっているため、「読む」より「買う」が優先されている人も珍しくありません。
感情的に購入して積読する心理
感情的に購入しているという人も積読してしまう人の心理として挙げられます。
読んで知識を得たり、世界観に没頭したりすることが目的である場合、必要になってくるのが、「読めるかどうか」の計算です。
例えば、自分が年間100冊しか読む時間を確保できないのに、200冊買ってしまっては、読むことができません。
残念ながら、あまり考えずに200冊買ってしまう人は、翌年も200冊購入する可能性があります。
生活が変わらない限り、年間に読める冊数は急激に増加することはありません。
買えば買うほど、積読数は増加していきます。
購入数 | 読んだ数 | 積読数 | |
1年目 | 200 | 100 | 100 |
2年目 | 200 | 100 | 200 |
3年目 | 200 | 100 | 300 |
実は、これが計算できずに感情的に購入してしまっている人は、積読数が増えてしまうでしょう。
読みやすい本ばかりを優先して積読する心理
積読してしまう人の中には、すぐに読める本ばかりを選んで読んでいる人も多いのではないでしょうか。
時間がない時や少し疲れている時でも、本を読みたい場合がありますよね。
そんなときには、僕も積読している本の中でも、読みやすい本ばかりを優先してしまいます。
- わかりやすく書かれている本
- だいたい内容がわかる本
- 深い思考を必要としないジャンルの本
すると積読本には、段々と難解で深い思考を必要とする本ばかりが積まれていくことになります。
こういうときは、意識せずに積読してしまっていますよね!
完璧に読もうとする心理で積読する
積読してしまう人の中には、完璧に読もうとしている心理が働いているのではないでしょうか。
- 序文・注釈・第二版を刊行するにあたって・日本で出版するにあたって・あとがき・コラム・具体例
本というのは、ある程度は読者を想定していますが、あなた個人を想定して書いてはいません。
合わないところは、必ず出てきます。全てを100%の力で読むと自ずと疲れてきます。
「本当に必要な本ならば、もう一度読む機会がある」と思って、流し読みするのも一つの選択です。
今のご自身に必要な箇所を読むようにしましょう。
途中で飽きてしまって積読
読書の途中で飽きてしまうことも積読を増やしてしまう人の心理として挙げられます。
本というものは、中身全てに共感できるわけではないからですね。
自分の知りたい情報やワクワクする展開ではなくなったときに、急に本に対する情熱を失ってしまうことがあります。
そういった読みかけの本が積読になっている場合は多いです。
「いつか読む」といっても、情熱を失った本に時間を使うなら、情熱のある本を読みたいと思うはず。
パラパラと流し読みして、読んだことにしてしまいましょう。
時間がないから積読してしまう
積読してしまう心理として、優勝候補の一角が、「時間がない」というものでしょう。
時間があれば、購入するスピードよりも、早く読み、積読を解消できる、と思ったことがある人は多いはずです。
しかし、「読む時間を確保する」「時間を作る」といったことはできますが、本の前に15分や20分、時間を作れたところで読書しようとは思えないはずです。
誰にでも平等な時間を増やすことはできません。
時間以外の理由で、積読してしまう心理を解明し、取り組むことが必要になってくるでしょう。
おわりに
積読は、ただの「本を読むべき」というプレッシャーを感じさせるものではありません。
むしろ、それは自分自身に与える心の余裕とも言えます。
積読することで安心感や未来への期待を持ち、いつでも新しい冒険が待っているという楽しみを感じることができます。
本を積み上げる行為は、ある意味で自分の可能性や知識への投資なのです。
そして、積読を通して、日々の生活に少しでも多くの楽しみと心のゆとりを加えていくことができれば、それはとても素晴らしいことだと思います。
これからも積読をポジティブに捉え、その魅力を存分に楽しんでいきましょう。